ヒューマンコンピュータインタラクション
Re-PITASu: 距離画像センサによる投影像とのインタラクション
Re-PITASu (Rangeimage-Projector-based Interaction Tool for Arbitrary Surfaces)は,
距離画像センサを用いて対象平面と手の状態を実時間計測し,
投影像とのインタラクションを可能とするシステムです.
(University of Oulu, Finland Petri Pulli教授との共同研究)

SimulWall: 「個」と「群衆」へ最適なマルチメディアコンテンツを同時提示する大型ディスプレ イ
SimulWallは,一枚の大型ディスプレイ環境において,
「個」と「群衆」それぞれに適したコンテンツを同時提示する手法です.
本研究では,ディスプレイ前に存在するユーザの位置を計測し,
ディスプレイの近くでインタラクティブなコンテンツを求める「個」と,
後方からディスプレイを見ている「群衆」に分類したうえで,
それぞれに適したコンテンツを同時提示します.
街頭への設置が進んでいる大型ディスプレイにおいて,
提案システムはディスプレイの利用効率を改善し,
ユーザの平均視聴率の向上が見込まれることから,広告効果の向上が期待されます.
(2012年4月-2014年3月 科学研究費補助金 若手研究 (B) 採択課題)

可視光画像センサと距離画像センサを併用した共連れ対応型入退室管理システム
入退室管理において,ドアを解錠した者が他の者を招き入れる「共連れ」は,
共連れにより入室したものがログに残らないことから,正確な入退室管理を困難とします.
提案システムは,カメラ画像と距離画像を用いて認証時にドア前に存在する人数をカウントし,
画像とともにログに残すことで,より正確な入退室管理を目指しています.

センサネットワークによる蔵書管理システム
室内環境におけるヒトとモノの移動をセンサネットワークにより把握するシステムです.
画像処理能力および無線LANへの接続能力を有するカメラセンサノード,
RF-IDやFeliCaなどの非接触型タグシステム,
およびこれらのセンシング情報を活用してサービスを提供するイベント処理ノードによって構成されます.
ヒトの個人識別は入口付近に設置したゲート型タグリーダやIDカードを利用した解錠システムで行い,
入室時からのヒトの移動はカメラ画像を元に追跡されます.
また,モノの位置や移動は,それぞれのモノに貼付されたタグと,
棚などに配置されたタグリーダによって把握されます.
これによってモノの位置やその所有者を把握できるシステムを,
ヒトがモノを持ち出すための特別な手続きを必要としない形で実現します.
現状では蔵書管理システムが試作されています.

TSUMU - リスト編集のための積み木型インタフェースを有する音楽プレイヤ
TSUMU(Tack Stack User-interface for Music Utilities)は,
カメラとジェスチャを用いたメディアプレーヤ用の新しいインターフェースです.
音楽プレーヤはしばしば,他のアプリケーションと同時に使われます.
しかし,音楽プレーヤ用の従来のインターフェースは,マウスとキーボードを使います.
たとえば,あなたがワープロを使いながら音楽を止めたいとき,どうしますか?
TSUMUは,従来のインターフェースより単純な行動でプレーヤを制御することを可能にします.

マーカベース拡張現実感
立体マーカを用いた拡張現実感環境における仮想物体の床平面に対する映り込み表現
拡張現実感環境において重要である光学的整合性のうち,
とくに本研究では,仮想物体の床平面に対する映り込みを表現するための手法を提案しました.
立体マーカの映り込み像を調べることで,床面の反射率と粗さを推定し,
環境に応じた自然な映り込みを実現しています.
(2010年4月-2012年3月 科学研究費補助金 若手研究 (B) 採択課題)

重ね合わせ可能な半透明二次元カラーマーカ
マーカベース拡張現実感において広く用いられる二次元マーカは,
上からの視認性に優れる一方で,マーカの重畳ができず,
高さ方向への仮想物体の積み重ねなどを直感的に操作できない課題がありました.
この手法は,Cyan,Magenta,Yellowの三色の半透明マーカを用い,
マーカを重ね合わせた状態をカメラで認識することで,
仮想物体の直感的な積み重ね操作を可能とします.

医用・福祉画像工学
主成分分析を用いた顔面神経麻痺度合いの40点法に基づく定量評価
顔面神経麻痺度合いのスコアリング手法として広く用いられる40点法は,
とくに非専門医による採点において,医師間の採点基準のばらつきが大きく,
麻痺度合いを定量的に評価できない問題点がありました.
本研究では,顔面運動を撮影した時系列画像から特徴点の運動を主成分分析により特徴抽出し,
抽出した尺度と専門医のスコアとの関連を調べることで,
麻痺度合いを定量的に評価できる尺度の確立を目指しています.
(大阪警察病院 松代直樹先生との共同研究)
視覚障がい者支援のための衣類の色および模様提示システム
カメラを用いて衣類の色と模様を自動で認識し,
音声により提示することで,視覚障がい者が単独で衣類を選択することを支援します.
ユーザはカメラのついた計測機器を衣類に当てるだけで,
簡単に衣類の色と模様を音声により知ることができます.
(千葉大学大学院 眞鍋佳嗣教授との共同研究)
視覚障がい者のための化粧支援風圧ディスプレイ
(千葉大学大学院 眞鍋佳嗣教授との共同研究)三次元形状計測
不透明物体を内包する透明物体の表面形状と内部形状の計測
透明物体に内包された不透明物体は,外側の透明物体における屈折の影響を受けるため, 非破壊で内部形状を正確に計測することが困難です. そこで本研究では,外部表面形状をシルエット法を用いて計測した後, 屈折率を推定することで,不透明な物体の形状計測を試みています.
中空透明物体の三次元形状計測
円筒鏡を用いた物体の全周形状計測
単純なシステム構成と計測手順をもち,
なおかつ動物体の全周形状計測にも適用可能なシステムです.
内部が鏡面となっている円筒内に計測対象を置き,魚眼レンズを装着したカメラで対象を上から撮影することで,
カメラから直接見える像と,円筒鏡の内部で反射した像を一度に観測します.
これは実カメラと仮想カメラを用いて,物体上のある一点を複数の視点から同時に観測していることに等しく,
ステレオ視を用いて,一枚の画像からすべての点の奥行きを計算できます.
(日本学術振興会 特別研究員 (DC2) 採択課題,コニカミノルタ画像科学奨励賞 進歩賞 受賞課題)

パターン認識
情景画像からの文字領域抽出
OCR(Optical Character Reader)を用いて画像中の文字をコンピュータに認識させる際,
図や表を含んだ画像や,風景をカメラで撮影した情景画像のように,
文字領域と非文字領域が混在する画像から文字領域だけを正しく抽出,および文字を認識することは,
文字領域部分の書式が既知でない限り非常に困難です.
そこで本研究では,文字が持つ形状特徴を「文字らしさ」ととらえ,
閉領域の「文字らしさ」を定量的に定義することで,
文字領域と非文字領域が混在する画像から文字領域を抽出します.
本研究ではとくに,閉領域の線幅と輪郭線の形状が用いられました.